財政健全化か? 2%インフレ目標達成か?

私は経済学を専攻してないので、まったくの素人考えですが、先の文芸春秋11月号の矢の論文を読んで少し考えてみたことを書き込んでおきます。

日本経済については、この8年間、安倍政権が2%インフレ目標を掲げて、頑張っているのを見て、景気も少し良くなったように思えたので良い政策だったのかと思っていました。しかし、昨今、日本が他の国に比べると貧困化しているという指摘がなされるようになり、この8年間経済成長はしていないということを教えられました。とすると、景気が良いと思ったのが間違いだったのか、それとも、成長しなくても問題ないということなのか?という問いを自問することになりました。

総裁選では高市候補がアベノミクスを継承することをうたい、ネットの熱い支持を受けていました。財政出動を大胆に行うべきだとの主張は多くの賛同を得ています。

ところが一方で財政健全化を主張する意見もあります。ネットでは弱い勢力なのですが、先日の文芸春秋11月号で矢野氏が財政健全化を主張する論文を発表したところ、ネットでは大反対の声が上がり、矢野バッシングの状況になっています。論争では弱い立場のほうが感情的になる傾向があります。今までアベノミクスを支持してきましたが、この際、もう一度勉強しなおして、財政健全化派と2%インフレ目標派のどちらが正しいかを検証してみることにしました。

経済学ど素人ですから、正しい結論に到達する保証はありませんので、まずは仮の結論を出してみて、その上で、多くの方から教えていただきながら、さらに考えを進めたいと思っています。

まずは私の理解できたところから始めさせていただきます。財政健全化派の言い分によると、赤字国債の発行はなるべく避けるべきだということです。その理由は、将来、金利が上昇したとき、国債の借り換えのために発行する国債金利が上がり、予算の大半が国債償還金利に使われることになり、健全な財政にならず、財政破綻となってしまうということです。

これに対する2%インフレ派の論理は、国債を買っているのは日銀なので、金利収入も日銀の黒字になり、追加国債発行が政府全体でみると赤字にならないというものです。この説明は私の言い方なので、もしかすると別の説明にすべきかもしれませんが、その点は今後さらに勉強する予定です。

国債を償却するする必要はないという主張もあり、ベイシック・インカムという主張もあり、全体を理解するのはしんどいので、ここで自分なりの原点に戻り、非常に素朴に考えてみました。

つまり、赤字国債は問題ないということであるなら、理論上、すべての税金を廃止して国債だけで国家運営をすればよいということになるのではないでしょうか。国債はすべて日銀が引き受けて、札を刷りまくるのです。するとどうなるでしょうか?何か問題が生じるのでしょうか?

インフレになる心配が思い浮かびますが、インフレにならない可能性もあります。外国が日本国債の信用ランキングを下げる危険性もあります。しかし、国債はすべて日銀が保有しているのですから、外国の評価は全然問題ではありません。日本人が怠惰になる危険性もあります。しかし、日本人ですから、この程度で勤勉性を失うことはないと信じたいと思います。とくに問題はなさそうです。

しかし、常識的に見て、これが正しいということはあり得ないでしょう。どこかに間違いがあるはずです。

<続く>