武田邦彦氏のユーチューブを見る

2018年暮れ、1ヶ月ほど武田先生のユーチューブにはまっていました。
はまるきっかけはダイオキシンの毒性についての武田氏のコメントでした。

ダイオキシンについて警告がなされていたのは20年以上昔のことですが、その頃、「ダイオキシンは青酸カリより毒性が強い」と聞かされて、驚いたことがありました。「ダイオキシンで死んでいる人がひとりもいないのに、どうして青酸カリより強いといえるのだろうか?」と思ったのです。その頃、ごみを燃やしてはいけない、焚き火はいけないと騒がれていました。燃やすとダイオキシンが出るとのことで、周りの人々はピリピリしていました。その後、いつのまにか忘れ去られ、話題にもならなくなりましたが、武田氏いわく、「ダイオキシンは毒でもなんでもない」とのことで、「報道はすべて嘘だった」ということです。「なんだやっぱり。私が昔感じた感想は間違っていなかったのだ。」と溜飲を下げたわけです。

これをきっかけに武田氏が語る他の話題についても聞いてみると、まことに驚くべき発言のオンパレードで、とても刺激を受けました。そういえば、3・11の大地震原発事故のとき「放射能を少量浴びるのは健康に良い」と発言して物議をかもした人であることをようやく思い出しました。勇気のある人だなと思い、ユーチューブで検索してみると、けっこうたくさんの番組を流していて、支持者も少しはいるような雰囲気でした。私も支持者のひとりとなって、環境問題についての彼の過激は発言を聞きましたが、私は個人的に太陽光発電の研究をしている関係上、彼が「太陽光発電はまったく無意味」というのを聞いて、大変ショックを受けました。「なんということか」という思いで、彼に反論しようと思いましたが、私の知識ではとても太刀打ちできませんでした。私は太陽光発電に興味がある程度であって、深く勉強したわけではなかったからです。しかし、まさか彼の言うとおりではないだろうと思うので、今後も太陽光発電について研究し、学びを深める予定です。いろいろ意見があることは良いことですし、反論するためにはさらなる勉強が必要ですから、良い意味で刺激になります。

しかし、彼の歴史についての見解を耳にすると、やや問題があるのではないかという思いを強くしました。能力のある方ですから、いい加減な意見ではないはずですが、歴史の一部を巨大化して全体を判断しているように思います。歴史については多くの意見があり、武田氏を支持する人もいるわけで、私も共感するところはたくさんあります。しかし、決定的に違うところもあります。それは私の結論では「太平洋戦争(大東亜戦争)は自存自衛の戦争ではなかった」と言うことです。1941年の段階で、日本はすでに満州国を建国し、日中戦争を始めていました。戦いの場所が中国なのに自衛と言えるのでしょうか。満州国を守るためにはじめた戦いなのです。そして、作戦ミスにより負けてしまったのです。もちろん、日本が一方的に悪いのではありません。ナチスがヨーロッパ戦線で連戦連勝している状況で、アジアが手薄になっていたという状況がありました。また、ルーズベルト大統領はアメリカが参戦して、何とかイギリスを支援したいという思いが強くありました。当時のアメリカ世論は戦争反対でしたから、日本が先にアメリカを叩いてもらいたいと願っていたのです。ですから、ハルノートになるのです。この謀略ともいえる作戦にまんまと乗ってしまった日本はおひとよし以外の何者でもありません。真珠湾攻撃を一番喜んだのはチャーチルであったというのはまったくもっともなことです。イギリスはドイツのロケット攻撃で青息吐息の状態でした。「これでアメリカが参戦してくれる」と思ったから喜んだのです。

日本がルーズベルトチャーチルを悪く言うことはできません。戦争とはそういうものなのです。謀略もできないでどうして戦争に勝てるでしょうか。謀略を見抜けなかった側こそ反省しなければなりません。

残念ながら先の大戦を美化することはできません。ただ、私がいわゆる左翼の論客と異なるのは、「戦争を始めたことが悪い」と言っているわけではありません。「戦争に負けたことが悪い」と考えているのです。情報収集も不足し、補給の計画もずさんで、海軍と陸軍がばらばらに戦って、それで勝つわけがありません。戦後、「日本は強いアメリカに負けた」という言い訳が通用していますが、アメリカ軍は結構負けの多い弱い軍隊なのです。朝鮮戦争でも勝てず、ベトナム戦争にも負けています。その弱いアメリカに負けたとすると、これは大恥ですね。日本はもっと戦争に強い国にならなければなりません。

武田氏の白人嫌いについえは、また別の機会に反論させていただこうと思います。