日本経済をどうやって成長させたらよいのか?

アベノミクスによるインフレ目標と三本の矢の経済政策はGDPを増やすことにまったく役立たなかったので失敗であったと言わざるをえません。円ベースでは少し上向いているように見えますが、ドルベースでは少しも成長していません。


アベノミクス批判者たちの中には「経済成長は必要ない」という立場の人もいます。しかし、私は経済成長は絶対に必要だと考えています。そこで、どうやって日本経済を成長させるかを自分なりに考えてみることにしました。

 名目GDP(USドル)の推移(1980~2021年)(日本, アメリカ, 中国) - 世界経済のネタ帳 (ecodb.net)
経済成長のお手本となるのはアメリカ合衆国です。アメリカのGDPのグラフを見ると1980年から2020年までほとんど一直線で成長しています。大きな波がありません。それに対して日本のGDPはドルベースでは1995年を区切りに、それから下がったり上がったりで、一向に上向きません。安倍政権時代も、巷では経済成長したと言われていましたが、ドルベースではまったく成長していません。なぜアメリカは成長できたのでしょうか。


アメリカはもともとインフレ傾向なので経済成長への刺激があるという見方もあるかもしれません。しかし、ヨーロッパ諸国も同じようなインフレ率であるにも関わらず、経済成長としては日本と大差ありません。日本よりましという程度で、たいして成長していません。インフレが経済成長の要因になるという考えは成り立っていません。ということは、日本がインフレ2%目標を達成しても経済成長しない可能性があるということです。

 

アメリカだけが経済成長しているのはなぜなのでしょうか?(中国のことは横に置いておきます。)奇妙なことにこの30年間、何人もの大統領が選ばれ、それぞれ個性ある経済政策を採用してきたはずです。それなのに、GDPの成長曲線に変化が見られません。リーマンショックと新型コロナで少し下がった程度です。オバマ時代は分配重視の政策だったはずです。トランプ時代は減税政策でした。しかし、どちらも同じくらいの経済成長をしています。これは不思議なことではないでしょうか。政府の経済成長政策が実際のGDPの成長に影響を与えていないのです。

 

これを日本の状況に投影して考えてみると、日本政府がいくら赤字国債を発行して景気刺激策をとったとしてもGDPの成長は望めないということになります。GDPの成長には政府の政策以外の要素が働いていると見なければなりません。それが何であるかはわかりませんが、この点は今後、大いに研究する必要のあるテーマではないでしょうか。

 

アメリカがなぜ経済成長を続けることが出来ているのか?私にはまったくわかりませんが、あえて言うなら、国民の前向きなメンタリティーでしょうか。別の言葉で言うと民間活力です。政府が予算を付けてくれるからではなく、国民の中にすでにやる気があって、率先して開発・販売に取り組む人がいるということ。そして、そういう人を支援する人が多いからではないでしょうか。

 

日本には孫正義さんがいます。三木谷さんもいます。しかし、まだまだ数が少ないのかもしれません。また、せっかくホリエモンのような才能豊かな人が現れても、社会がバッシングして潰してしまうという失敗もありました。能力ある人が生かされ、用いられる社会になっていないのです。これではいくら政府が頑張ってもアメリカに追いつくどころが、張り合うこともできないでしょう。国民の意識変革、メンタリティーの変革が必要になっているのかもしれません。